【GSFレビュー】とは、「ゲームの音」のレビューである。


 「映画の音」は、「映画館」という「真価を発揮する場」が保証されている。
 しかし、「ゲームの音」にはそれがない。サウンドクリエイターが心血を注いで圧倒的なマルチチャンネル・サラウンドを作り上げても、実際にゲームが遊ばれている現場でその真価が発揮される機会は、私の知る限り、残念ながらほとんど無い。
 ゲームならではのインタラクティブ性やマルチチャンネル・サラウンドの導入により、ゲームの音は時として映画をも凌駕する表現力を持ち得るというのに、これでは悲しい。悲しすぎる。

 だからこそ私は、【GSFレビュー】を通じて、「ゲームの音がもたらす楽しさ」を真剣に伝えていきたい。そしてGame Sounds Funが「ゲームの音が真価を発揮する場」となれば幸いだ。


 【GSFレビュー】における評価・点数は、ひとえに管理人の主観的評価である。
 どのような評価であれ、それはゲームの音を十全に再生し得る環境を構築したうえで、ひとりのゲーマー&ホームシアターファンとして全身全霊でゲームの音と向き合い、実際にゲームを遊ぶ立場から「ゲームの音」を評価した結果である。大切にしたいのは、どれだけ高度な技術が投入されたかよりも、「どれだけ楽しいか」である。
 ゲーム会社やオーディオメーカーとの関係性が評価に影響を与えることは、少なくとも管理人に物書きとしての矜持が残っている限り、ない。

 つまるところ【GSFレビュー】とは、ゲームの音に携わるすべてのクリエイターに宛てた、管理人なりのファンレターでもある。


 なお、「ゲーム×シアター」というGame Sounds Funのコンセプトに基づき、【GSFレビュー】では基本的にサラウンドに対応するタイトルを取り上げる。いずれはステレオ音声のゲームもなんらかの形で扱いたい。



 【GSFレビュー】を構成する要素は以下の通り。

タイトル情報

・ゲームタイトル
・対応プラットフォーム(日本国内)
・音声仕様(※)
(参考:世界一やさしい「音声仕様」の見方

※音声仕様はタイトルを制作したゲーム会社に確認しているが、明確な回答が得られなかったり、情報の公開が許可されていなかったりする場合がある。
 そのような場合、管理人が実際に聴いて確認できた音声仕様を書いている。
(参考:ゲーム会社は「音声仕様」についてどう考えているのか?

音楽

 そのものずばり音楽の評価。
 純粋に楽曲がどれだけ印象に残ったかはもちろん、作中における音楽の存在感、演出的な意味での使われ方も評価する。

効果音

 効果音や声の演技などを含む、広義の「音の演出」の評価。
 現実的な音から現実にはあり得ない音まで、どれだけの豊かさをもって音がゲームの世界を彩っているかを評価する。

サラウンド

 マルチチャンネル・サラウンド音響がどれだけゲーム世界への没入感を生み出し、手に汗握る興奮をもたらしたかの評価。
 ゲームプレイの楽しさ・面白さに直結する要素であり、GSFレビューの肝と言える。

 ゲーム自体がサラウンドに対応していても、ゲームプレイにどのような効果を与えるかはゲームのスタイルやジャンルによって大きく異なる。
 例えば固定見下ろし視点のゲームはゲームプレイにおいてサラウンドを活かしづらく、視点移動が自由なゲーム、特にFPSやTPSはゲーム展開と音が完全に一致するため、サラウンドが最大限活きる。
(参考:ゲームの音はここが凄い!

総合評価

 「音楽」「効果音」「サラウンド」の三項目をそれぞれ「ミュージックレベル」「エフェクトレベル」「サラウンドレベル」というゲームっぽい名称にして10段階で評価し、合計で総合評価を行う。

S(合計30~27)

 神話級
 今後この評価を進呈するタイトルが現れるかどうかも定かではない。
 そして伝説へ。

A(合計26~23)

 拍手喝采。
 心から「このゲームの音は素晴らしい!」と叫ぶレベル。
 殿堂入りと言っていい。

B(合計22~19)

 純粋に「ゲームの音で楽しめる」レベル。
 すべての要素で高い評価を得ない限り、この段階に到ることは難しい。

C(合計18~15)

 可もなく不可もなく。
 音楽や効果音が素晴らしくても、サラウンドレベルが低いとここからの脱出は難しい。

D(合計14以下)

 音は別に……



 たとえ音楽の印象が薄くとも、効果音のバリエーションが少なくとも、サラウンド環境でプレイすることで、異次元の体験を味わえるタイトルは往々にしてある。

 よって、「ホームシアターでゲームを遊ぶ」ことの意味を考えれば、時として総合評価以上に「サラウンドレベル」の数値が重要になると言える。

 逆に、サラウンドレベルの低いタイトルは、純粋な音質にこだわったステレオ・オーディオシステムで真価を発揮するとも言える。

レビュー環境/機材について

 サラウンドに対応するゲームの真価を発揮さるためには、当然ながら相応のシステムが必要になる。

 そこで、【GSFレビュー】では二通りの環境/機材を用意している。

基本システム – 5.0ch

Marantz NR1608(AVアンプ)
Monitor Audio MASSシリーズ(全チャンネル)
PCと兼用のモニター


 【GSFレビュー】は基本的にこのシステムで行う。
 Game Sounds Funを始めるにあたって、無闇に大規模でも高額でもなく、それでいて機能的にも音質的にも申し分ないシステムを模索した結果の組み合わせである。

 詳しい環境/機材の紹介はこちら

凝ったシステム – 6.1.4ch(センターレス)

Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
SOULNOTE A-2(フロント用) + SSB-1
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネルに使用)
Dynaudio Sapphire(フロント) + ブビンガ・ボード
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2 + ブビンガ・ボード
LG OLED55B6P(テレビとプロジェクター&スクリーンの2Way
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDWAC


 管理人が普段使っているシステム。もちろんこの環境でもゲームを遊ぶ。
 7.1chやDolby Atmosなど、基本システムでは対応しきれない音声仕様のタイトルは、特にこのシステムでの印象も評価に含めている。

最後に

 【GSFレビュー】はあくまでも「ゲームの音」に焦点を当てたものであって、「ゲーム全体」の完成度や価値を評価するものではない

 音に関して特に凄いと思わなくとも、素晴らしいゲーム、なによりプレイして楽しいゲームはいくらでもある。

 その一方で、「ゲームの音」もまた、ゲームの楽しさ・面白さに大きく貢献するという事実を、【GSFレビュー】を通じて知ってもらえたら幸いだ。